タイトルにも掲げておりますが、今回はなぜ「北海道」ではなく「東北海道」なのか、なぜ「東北海道」にこだわるのかについて、その考えを述べてまいります。
これまでに、おそらく明治以降の日本の歴史の中で、北海道を独立国にしようと考える方も多くいらっしゃったことと思っております。
そこではあくまでも北海道、北海道という島とその周辺諸島を含めた地域を、海に囲まれている一つの地域として他の地域と区別しやすいからという理由があったのではないでしょうか。
それはそれでたいへん良い考えであると思います。
しかし、北海道は明治以降150年以上の歴史を重ねる中で、人や物、合わせて経済、文化をはじめ医療などの福祉も札幌を中心とした、いわゆる道央圏、特に石狩振興局管内に集中することとなり、明らかに過密地域と過疎地域の格差が進んでいます。
実態については、一例として石狩振興局管内を除く北海道と石狩振興局管内の面積と人口の比較を以下の図表にまとめましたので、ご参照いただければ幸いです。

・ 石狩振興局管内の面積は石狩振興局のWebサイト内「石狩管内概要 2020」から引用。

札幌市の他、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村の6市1町1村からなる石狩振興局管内は北海道の4%程度の面積でありながら45%以上の人々が暮らす地域であって、まさに北海道の行政、経済、文化などあらゆる面での中心地とされていることから北海道の中央を意味する道央圏の中核を成す地域であり、このような現実があることによって、私は北海道では行政の施策や経済の取り組みが道央圏を中心に決められているというのが実態としてあると思っています。例えば観光施策については「如何にして(人が少ない=人が来なくて困っている)地方に観光客を動かしていくか」というように大都市圏からの目線で語られているのではないかと思われ、私個人としては違和感を覚えています。なお、一般には東北海道において観光施策の優先度は上位に考えられているようですが、私自身はこの施策の優先度は低く、より重視すべき問題が他に山積していると考えております。
一方で、北海道には大雪山系、日高山脈があり、その存在が北海道を東西に大きく分けており、その自然環境が気候や風土の違いを生み、文化や経済をも分けているように思えています。そのように考え始めたのは10年以上も前のことではありますが、最近になってようやく考えがまとまり始め、道央圏から遠く離れた道東地域で、道東地域に住む住民が道東地域に住む住民のために制度や仕組みを組み立てられることが望ましいと考えるようになりました。しかしまだ確実な結論には至っておりません。
前書きでも述べましたが、私は東北海道で生まれ、東北海道で育ち、他の地域での生活を経て再び東北海道に戻って、その後も他地域に移動したとしても、なぜか東北海道に戻り、現在に至っています。
私はこれに運命を感じ、東北海道の未来を展望し、未来の人々に東北海道をしっかりと引き渡していくことが私の使命なのだろうと考えています。
未だ志半ばながら、何かの問題提起くらいはしてまいる所存です。
2021.08.03
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